脂質
メタボリックシンドロームに関係する健康診断の検査項目といえば、やはり脂質の検査が気になると思います。そこで健康診断の検査の中で脂質に関する項目のお話をしたいと思います。
中性脂肪とコレステロール
検査で中性脂肪とコレステロールという項目はよく目にすると思います。
違いをご存知でしょうか?
中性脂肪はトリグリセライドと呼ばれエネルギーのもととなるものです。余分なものは皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。
一方コレステロールは細胞膜を構成する成分であったり、胆汁酸の原料になったりします。コレステロールは体内で合成することもできるので、余分なコレステロールがある場合は体内で合成する量を少なくして調整できます。
この調整範囲を超えてしまうといけません。
LDLとHDLコレステロールの違い
よく「LDLは悪玉」「HDLは善玉」と呼ばれています。
LDLは悪玉
LDLコレステロールが多いと余分なLDLが血管壁に付着して、動脈硬化などを引き起こします。
HDLは善玉
HDLコレステロールは血管に付着したLDLをはがしやすくしたり、動脈内のコレステロールを肝臓に運んだりします。
この部分だけを見るとLDLはなるべく少なく、HDLはなるべく多い方が良いということになってしまします。
しかし、どちらも体を構成していくために必要なコレステロールです。数値が低くなれば良いというものではありません。血液検査の結果、全体のコレステロール量が基準の範囲以内でもLDLとHDLのバランスが悪い場合も注意が必要です。
健康診断では血液検査で血中濃度を測定
行われる検査は血液検査が主流で、中性脂肪やコレステロールの濃度を測定します。
それぞれの基準値は以下の通りです。
- LDLコレステロール…70~139(mg/dl)
- HDLコレステロール…男性:40~80、女性:40~90(mg/dl)
- 総コレステロール…150~219(mg/dl) 中性脂肪…50~149(mg/dl)
対策はどのようにすれば良い?
生活習慣から高くなった検査の値は、短期間ですぐに改善するものではありません。
特に女性は年齢とともにコントロールが難しくなってくる場合もあります。食事の制限については生活習慣や他の病気との関係もありますので、医師としっかりと相談しましょう。医師は食事の状況に合わせて薬が必要であれば処方してくれるはずです。
酸化した油は体の中でも良くありません。ビタミンCやEなどの抗酸化力のあるものを取るように心がけたり食物繊維を多く取るのも良いでしょう。また健康診断以外でも定期的に医師と相談して検査をしてみるのも良いと思います。
良くなっているのか、悪くなってしまったのか、ご自身の体の状態をよく理解することは非常に重要です。